利益を生みだすためには「売上高アップ」・「変動費ダウン」及び「固定費ダウン」の3つの方法があることが分かりました。「売上高をアップ」させるためには顧客との値上げ交渉など顧客対応が必要不可欠ですが、変動費及び固定費をダウンさせることについては、顧客とは関係なく自社内で検討することが可能です。「変動費」及び「固定費」を削減は原価低減の行うことに他ありませんので、一般にコストダウンと呼ばれています。営業利益(=売上高ー(変動費+固定費))を高めるためるためのコストダウンのやり方とその留意点について検討して見ましょう。
本ページでは「固定費削減によるコストダウン」の方法について検討して見ましょう。
日本橋総合コンサルタント合同会社のホームページの構成を「サイトマップ」に表示して置きましたので、ページ閲覧の際にご活用頂けると幸いです。
削減すべき固定費の内訳
(1)固定費とは
売上に関わらず一定金額かかる費用で、人件費、不動産賃借料、水道光熱費、配送費、通信費、減価償却費、旅費交通費、接待交際費、支払利息などが挙げられます。営業利益を増やすための方法の一つとして変動費を削減するとともに固定費も削減する必要があります。
変動費とは: 売上の増減に比例して増減する費用で、売上原価、仕入原価、材料費、外注費、支払運賃、保管料などが挙げられます。水道光熱費及び配送費については、一般的には固定費として見なされていますが、変動費として取り扱う場合もあります。 | 固定費とは: 売上に関わらず一定金額かかる費用で、人件費、不動産賃借料、水道光熱費、配送費、通信費、減価償却費、旅費交通費、接待交際費、支払利息などが挙げられます。水道光熱費・配送費を固定費として挙げていますが、変動費として取り扱う場合もあります。 |
前掲R社の変動損益計算書における固定費を金額の高い順番に並べて見ましょう。ここで、配送経費は定常的な生産数量の範囲ではさほど変動はありませんので「固定費」として見做しております。
R社の固定費は、人件費(855万円/月)>配送経費(550万円/月)>ユーティリティ経費(水道光熱費)(380万円/月)>雑給・派遣人件費(365万円/月)の順番となっています。雑給・派遣人件費を含めた人件費は、~1,200万円/月となって居り、固定費の中で一番大きな金額となっています。固定費のコストダウンも変動費と同じで削減効果の大きい勘定科目の項目から検討することが大切です。
R社の場合、固定費の大きさは本社経費・法定福利費などを除くと、人件費(社員人件費+雑給・派遣人件費)>配送経費>ユーティリテイ経費の順番となっており、これらがコストダウンの対象となります。この内、ユーティリティ経費については「省エネ」の観点で検討する必要があります。
(2)人件費削減には業務改善・生産性向上が不可欠
どの会社でも固定費の中で人件費が一番大きな割合を占めておられるのでは無いでしょうか。人件費の内訳として、給与、各種手当、賞与、退職給付費用、法定福利費などが挙げれますが、この内従業員(正社員。派遣社員、アルバイト、パート)に支払う給与・各種手当・賞与などがかなり高いウエイトを占めております。最近人手不足の煽りを受けて賃上げを実施されておられる企業も多いかと思いますが、賃上げのための原資を確保するのみ苦労されとられるのでは無いでしょうか。
景気が減退して会社の経営が悪化すると、リストラを実施して早期退職の募集、派遣社員・パート・アルバイトの大幅削減(解雇)を実施することが行われています。しかし、中止企業では大企業の様に正社員を辞めさせ、人件費を大幅に削減することは困難かと思われます。
そこで、人件費を下げるための工夫として、人件費そのものを下げるのではなく、業務改善を行い業務効率の向上・生産性の向上を図り、市場に提供している製品・部品・サービスの品質を保持しながら、生産品単位当たりの人件費の割合を下げてゆくことがを肝要となります。
業務改善を行うことにより生産性が向上して起案すので人的な余裕が生まれてきます。パート・アルバイト・派遣社員の削減が可能となってきます。しかし、昨今の人手不足の現況下、パート・アルバイトの採用がで困難となっていますので、将来的な増産を考慮して、パート・アルバイトの大幅削減までに至らないのが現状かも知れません。
また業務改善を行いますと、生産性が向上するだけでなく、材料費・ユーティティ経費(電気・ガス・水道費)の削減にも繋がります。
業務改善及び生産性向上について
(1)業務改善に関連する用語
コストダウン方法を検討する前に、業務改善に関する用語の説明を行います。
1)業務効率化とは︓
⾮効率な業務を無くし、よりスピーディに業務を熟せる様にする取り組みを意味しており、コスト削減につながる⾏動が重視されます。
①⽣産性とは︓
⽣産諸要素の有効利⽤の度合いを意味しており、生産性は下記の式で定義されています。
⽣産性=産出(Output)/投⼊(Input)
*物的⽣産性 ⇒ 労働⽣産性(1⼈当たり)=⽣産数/労働者数
*付加価値⽣産性 ⇒ 労働⽣産性(1⼈当たり)=付加価値額/労働者数
➁⽣産性向上とは︓
何らかの施策を実⾏し、⽣み出す成果の割合を増やすか、投⼊する資源の量を減らすかして相対的に組織の⽣産性を⾼める取り組みのことを⾔います。
③⽣産性向上の⽬的︓
⽣産性を向上させることにより⽣み出された「時間」を有効に活⽤して、新たな「価値」を⽣み出すことを意味しています。
(2)業務改善の狙い
企業運営の⽬的を⼀⾔で表すと、『社会や市場が要求する製品・サービスを、経営資源『ヒト(Man)・モノ(Material)・カネ(Money)・情報(Infortmation)』を活⽤して、要求される時期に必要量を経済的(『3ム』を排除すること)に⽣産して、利益を稼ぎだせるようにすること』と⾔えるかも知れません。。ここで『3ム』とは、「ムダ」、「ムラ」、「 ム リ」の頭⽂字の『3つのム』を意味してます。製造業における⼯程改善を⾏う際に良く使われていますが、製造業のみならず⼩売業・卸売業や他の産業において、⼈が関与する業務(仕事内容)では必ず『3ム』が⾒受けられます。固定費(⼈件費⾒合い分)を低減させるには、 業務改善(業務フロー及び仕事のやり⽅を⾒直して『3ム』を排除すること)を⾏い、⽣産性向上を図ることが重要となります。
(3)業務改善の手法
1)業務改善による業務効率化・生産性向上フローのご紹介
⽇本橋総合コンサルタント合同会社では、様々な⼿法を⽤いてお客様の⽣産性向上に関わるご要望に対応することが可能です。下図は「業務改善による業務効率化・⽣産性向上フロー」を⽰しております。この業務改善フローは⼯場の⽣産ラインのみならず、建設業の現場でにおける業務改善、営業部⾨並びに他の間接部⾨の業務改善においても適⽤できる考え⽅です。業務効率を向上させて⽣産性の向上を図りたいと思われておられる御客様は、是⾮とも日本橋総合コンサルタント合同会社にお声掛け下さい。
2)IE「Industrial Engineering(経営工学)」のご紹介
「トヨタの生産方式」をご存じかと思います。トヨタ生産方式の原点は、「3ム」(ムダ・ムラ・ムリ)を徹底的に排除して「生産性を向上させる」ことにあります、その手法としてIE「Industrial Engineering(経営工学)」を活用しています。
IEとは、1900年代から始まる工業化の歴史の中で体系化されてきた工学技術・生産技術の総称で、人・機械・材料・方法・エネルギーを効率良く組み合わせ「安くモノづくりを行う」ための技術です。最大の特徴は無駄がない最善の方法を創出するための手法です。
日本橋総合コンサルタント合同会社では、このIE手法を活用して、御社の業務・生産工程を調査・分析を行い、御社の仕事内容に適した業務処理手順及び生産工程を構築して御社の生産性向上のお手伝いを致します。
生産性を向上させると、販管変動費(ユーティリティ経費・原材料費等)、かつ固定費に含まれる人件費(社員の残業代、派遣社員・パート及びアルバイト経費)の大幅な削減が可能となります。また、工程間在庫の削減、納期短縮も併せて可能となります。
3)業務の標準化
現在 AI・ICT化の進展に伴って、 IoT (Internet of Things)を活⽤した は業務の省⼒化や業務プロセスの効率化が話題になって居ります。IoT導⼊の際に重要なことは、これまで⽬に⾒えなかったデータを「⾒える化」して、何を⽬的にデジタル化を促進して⾏くかと⾔うことではないでしょうか。業種・業態に関わらず、業務内容を「⾒える化」してデーターとして取り扱えるようにすることが重要かと思われます。この業務内容の「⾒える化」を抜きにして、雰囲気だけでIoT化を促進すると、本来⽬的とする成果が得られず無駄な投資を⾏う危険性がありそうです。当合同会社では、将来IoT化を検討する際に、事前に業務内容の「⾒える化」即ち「業務の標準化」をお勧めしております。これまでのメンバーのコンサルティング経験から⾒ますと、製造業だけでなく他の業種・業態を問わず、⼈が関与して業務を推進する際には、必ず「⼈により仕事(作業)の⼿順・やり⽅が異なる」、「特定の⼈(出来る⼈)に仕事が集中する」、「同じ会社内でもあっても事業所により伝票処理のフォーマット・⼿順が異なって居る」など等の『3ム(ムダ・ムラ・ムリ)』の問題が発⽣しております。
業務標準化の⽬的は、
- 業務経験の無い新⼈でも仕事を覚え、熟すことができる
- 属⼈的な業務推進⽅法(職⼈芸)を排除して、誰でもベテラン並みの仕事が出来る様になる
- ⼈材を⼈財として育てることができる
- 業務品質を安定・向上させることが出来る
様にして、業務効率向上及び⽣産性向上を図ることにあります。この業務標準化の過程において得た知見をベースにして、IoT化に取り組むと、スムーズにIoT化による合理化を達成することが出来るようになります。また「業務の標準化」を適切に⾏いますと、業務効率及び⽣産性が3割改善されます。
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